AWAT137.JPG/2004-04-16
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■それは確か、私が小学4年か5年生だった頃。いわゆるスーパーカーブームの最盛期、同級生達とリトラクタブルヘッドライトとミッドシップエンジンはどっちがカッコイイか、などという比較に無理があることを日々議論している時代でした。
夏休みも中盤を過ぎ、そろそろ宿題の残量が気になり始めた8月の中旬。家族と街のデパートに出掛けた時のことです。目当ての化石展に行き、デパート内にある天体望遠鏡売り場に立ち寄り、切手とコインの売り場で、当時の自分の小遣いでは絶対に買えない東京オリンピック記念千円銀貨を眺めたりと一通りの巡回を終えたあと、休憩に屋上に上がりました。屋上にあるのはお決まりの植木やら観賞魚の売り場。家族が出目金の群れに見入っているのをぼんやり眺めつつ、屋上を見渡すと、広場の脇にやたら大きな水槽があるのに気付きました。近づいてみて見たものの、中には何も居ないただの水槽です。がっかりして立ち去ろうとしたときに、それは水槽の上のほうから降りてきました。
人魚です。
正確にはヒレを履いて人魚の格好をしている女の人です。どうやら息継ぎに水面に上がっていたのに気付かなかったようでした。場違いに肌も露わな
格好をした人魚の人と対面し、動揺するうちに思わず女の人と目が合ってしまい、私は重大なことに気付きました。
近所の顔見知りのお姉さんです。
私の家から100メートルほど離れた同級生A宅の向かいに住むお姉さんでした。たしか短大に今年から通っている筈です。
お姉さんもすぐに私に気付いたらしく、笑顔のまま口をあんぐりと開け、あわてて息継ぎをしに水面に昇ってゆきました。
どうやらお姉さんはこのデパートの屋上で人魚のアルバイトをしているようでした。人魚の格好して水槽に潜るのがどういうバイトなのか、
今一つ理解できなかった私ですが、お姉さんにお願いされて、ここで見たことは誰にも言わずに秘密にすることにしました。
どうやらお姉さんは夏休みいっぱい、人魚のアルバイトをしていたらしく、9月になる頃にはまるで南国のリゾートにでも行ってきたかのように
日焼けしていました。
そのお姉さんも今では結婚して二児の母親です。
あのデパートはバブル時代の無理な経営多角化とその後の消費不況によって5年前に閉店。跡地は今は月極駐車場になっているのでした。
★2006.03.06 続きの状況を描いてみたりしました(注・18禁です)
□というわけで、久しぶりに人魚な人を描いてみました。どうも自分の場合、下半身が本当に魚類になっている人というのが、上半身と下半身の境界が
どうなっているのか想像すると怖くなって描けない(笑)ので、毎度の通り履き物を履いている人魚の振りをしている人になっております。
あ、上の文章はフィクションですので(笑)
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